自分で仕込む!手作りビールに挑戦(1)

暑い日が続きますね~

夏真っ盛り、こんなときはキンキンに冷えたビールが美味しい!最近はクラフトビールブームも手伝い、いろんな味わいのビールが飲めるようになってきたのも嬉しいですよね。

いろんな種類のビールを飲んでいて、ふと「そもそもビールの味ってどうやって決まるのだろう」と疑問に思うことがありました。そこからビールの醸造方法を調べ始めたのですが、あれよあれよと、ビールの世界の奥深さにやられてしまいました(笑)。

そんなこんなで、今回から3回ぐらいのシリーズに分けて「料理研究」企画として「自家製ビール造り」にチャレンジしてきます!

そもそも醸造には許可がいるのでは?

自家製ビールを造るにあたって、まずはじめに気になるのが醸造に関する法律です。アメリカなどではホームブルワリー(自宅でビールを醸造すること)が既に一般的で、ビール造りのためのグッズを扱う専門店があるぐらい、家庭でビールを作って楽しむことが多いのですが、日本ではどうでしょうか。

日本では酒類を製造する場合、税務署長の免許が必要

結論から申し上げると、家庭でお酒を醸造することは日本では法律違反となります。ここで国税庁のホームページを確認してみましょう。

Q 「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。

A 酒類を製造する場合には税務署長の免許が必要となります。
酒類とは、酒税法上、アルコール分1度以上の飲料をいい、当該製品により製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になります。

ただ、ビールの製造免許は、年間の製造見込数量が60キロリットルに達しない場合には受けることができません。

購入された商品については、アルコール分1度以上にならないよう製造方法が取扱説明書に具体的に記載されていると思われますので、その注意書に沿って、アルコール分が1度未満となるようにしてください。

酒類の製造免許を受けないで酒類を製造した場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるほか、製造した酒類、原料、器具等は没収されることになります。

根拠法令等:酒税法第7条、第54条

国税庁HPより抜粋

…と、このようにしっかりと明記されています。

なんだよ、日本にいる限りビール造りなんて無理じゃん!とがっかりしますよね。いろいろ調べてみると、日本は特に醸造に関する法律が厳しい国なんだとか。これはあきらめておとなしく「よなよなエール」でも飲んでいようかと思っていたら、違和感に気づきました。

アルコール分1度未満なら…OKってこと?

購入された商品については、アルコール分1度以上にならないよう製造方法が取扱説明書に具体的に記載されていると思われますので、その注意書に沿って、アルコール分が1度未満となるようにしてください。

そうなのです。日本の法律で言う「お酒」とはアルコール1%以上のものを指します。逆に言えばアルコール1%未満であれば酒税法の対象にならないと言うこと。醸造許可を持たない個人がお酒を作る場合、アルコールが1%を超えないように作れば法律違反になる心配はありません。

しかも、「ビールキット」なるものが販売されていて、そこに1%未満で仕込む方法が記載されていると言うことまでわかります。

(ちなみに、ビール製造免許に必要な「年間の製造見込数量が60キロリットル」と言うのは、大瓶換算で1日約300本のビールを造って売れる能力があってはじめて取得できるものです。1994年に最低製造量が2,000キロリットルから引き下げられ、規制緩和されてはいるのですが、それでも個人には高いハードルのままとなっています。)

普通のビールを造れないのは残念ですが、もともとアルコール度数がそれほど高くはないビールですので、1%未満の自家製ビールもきっと美味しいはず!気を取り直して、早速ビールキットをゲットするべくインターネットで調べまくったのでした。

手作りビールキットをゲット!

はい。あっけなくゲットできちゃいました(笑)。

今回私がキットを購入したのはアドバンストブルーイングさんという手作りビールキットや、自家製ビールなどの材料を販売している自家醸造専門店。

必要な道具は一通り揃いますし、仕込むビールもエールやラガー、IPAやポーター、ヴァイツェン、ホワイトなどなど…、かなりの種類から選ぶことができます。

しかも7ページにも及ぶ超丁寧なレシピノートまで付き!読んでいるだけでもビール造りの楽しさが伝わってきてわくわくしてきます。「アルコール1%未満に仕込む方法」もしっかり記載されていましたよ!

仕込み方の難易度から選ぶ

アドバンストブルーイングさんでは、ビールの仕込み方の難易度から使う材料が選べるようになっています。難易度ごとでStep1~6までに分けられているようですが、大きく分けると以下の違いで扱う材料が異なるようです。

  • 缶入りモルトエキスを使う方法(Step1~3)
  • 業務用のモルトエキスやモルト(麦芽)を使う方法(Step4~5)
  • 麦芽の糖化のみで仕込む方法(Step6)

缶入りモルトエキスは初心者向けとして結構有名で、東急ハンズでも扱われていたことがあるようです。本来初心者はStep1~3からはじめるべきなのでしょうが、作り方があまりにも簡単そうだったので、もう少しビール造りの知識やスキルを習得できそうなStep4の材料に決めてオーダーしました。

味は普段よく飲んでいるエールビールに決定。ホップの香りをより強くできるよう、一次発酵の後に追加するドライホップを加えてみました。

仕込み開始!

それでは早速仕込みを開始します!レシピノートには使う材料の量や手順以外にも、器具の殺菌方法や、注意点などが細かく記載されています。使うレシピによっても内容は異なると思いますので、今回は大体の流れが分かるように、簡単にご紹介していきますね。

(1)モルトの成分を抽出する

業務用モルトエキスだけでは不足するモルトテイストを補うために、別に用意されたスペシャルモルトを煮込んで成分を抽出したものを使います。

成分を抽出するために温度管理をしっかり行い、規定の時間ゆっくりと成分を抽出していきます。この時点で部屋の中にモルトのいい香りが充満します。

(2)発酵容器に目盛りをつける

地味ですが重要な作業です。今回は10リットル仕込む予定なので、事前に水道水を測り入れて目盛りをつけていきます。

(3)抽出し終わったモルトを捨てる

抽出し終わったモルトを取り除いて捨てます。ちなみにモルトにはビールの味を酸っぱくさせる乳酸菌が多く含まれているということで、殺菌した器具やイーストなどにうっかり粉がかかってしまわないよう、扱いに注意します。

(4)モルトエキスを鍋に投入

ここでモルトエキスを鍋に投入します。モルトエキスには多くの糖分が含まれており、水あめのようにトロトロとした液体です。これをモルトの抽出液と混ぜることでビールの原液(ウォートといいます)をつくります。このウォートに含まれる糖分を、イースト菌が分解することでアルコール(と二酸化炭素)が生成されます。今回は酒税法に抵触しないよう、モルトエキスを1/3だけ使用して、アルコール度数をコントロールします。

余ったモルトエキスはもったいないですが処分します。

(5)沸騰したらホップを加える

鍋が沸騰したところでホップを加えて更に煮込みます。ホップを加えると一気にビールの香りになり、飲みたくなります(笑)。

ホップには使用目的によってウォートに加えるタイミングが異なります。沸騰直後に入れるのはビールに苦味をつけることを目的にした「ビタリングホップ」。この後2回に分けてホップを加えていきますが、煮込み終了直前に入れるものは香り付けを目的にした「アロマホップ」と呼びます。ちなみに使うホップは同じものです。

(6)アイリッシュモスを加える

アロマホップと同じタイミングでアイリッシュモスを加えます。これは海藻を裁断したもので、ビールをクリアにして雑味を防ぐ効果があるのだとか。

(7)鍋を氷水で急冷する

45分の煮込みが終了したら、今度は鍋を氷水につけて急冷します。目標温度は25℃。出来るだけ早く冷やせるほどビールの質が向上するのだそうです。

雑菌の混入に気をつけながら、水を張ったシンクの中で冷やしていきます。途中鍋をゆすったり、氷を追加したりしながら結局1時間30分ほどはかかかりました。

(8)ウォートを発酵容器に移す

夏場と言うこともあり、冷却は30℃で断念しました。この後投入するイースト菌が死んでしまう温度が45℃なので、30℃でもおそらく大丈夫でしょう。

ウォートをじょうごを使って発酵容器に移したら、仕込み量(10リットル)になるまで水を加えていきます。ちなみにここで使っている発酵容器やじょうご、温度計などは全て殺菌処理が必要です。殺菌が十分でない場合、発酵容器の中でイースト菌が上手く増殖できず、酸っぱいビールになってしまうのだそうです。

(9)イーストを加える

ここでようやくイーストを投入します。思えばこれまでの作業は全てイーストが快適に増殖できる環境づくりでした。事前にぬるま湯の中で活性化させておいたイーストを加えます。

(10)発酵容器を振る!

最後の仕上げです。イースト菌が増殖しやすいようウォートに酸素を含ませるため、5分ぐらい激しく発酵容器を振ります。

10リットルの容器を抱えて5分です。結構しんどい作業ですが、面白いぐらいにあわ立つウォートを見ているとなんだかがんばれます。この作業をエアレーションと呼び、ビール造りの中でも味を決める重要な作業なのだそうです。

ちなみに30分後に再び5分程度のエアレーションをしました。もうくたくた(笑)。

(11)エアーロックを取り付けて終了

ようやく本日の作業は終了です。エアーロックと呼ばれる装置を発酵容器に取り付けます。これは発酵容器内で発生する空気(イーストが作る二酸化炭素)は外に通しますが、外からの空気は中に通さない装置です。空気中の雑菌が入ることを防ぎつつ、発酵容器が膨れて爆発することを防ぐ便利な道具です。

こういったものも全てキットの中にふくまれていますよ。

(12)温度管理をしながら一次発酵が終わるのを待つ

エアレーションでくたくた。もうビールを飲んでのんびりしたい頃合ですが、自家製ビールはまだまだお預けです。半日ぐらい経つとエアレーションからポコッ、ポコッと空気が出始め一次発酵が始まります。これが大体1週間ぐらい続くようです。

ちなみに温度管理もビール造りには重要です。一次発酵させているウォートは18℃~25℃になるように管理します。今の季節だとそのままでは28度ぐらいになってしまうので、大きな容器に水を張って、少し温度を下げられるようにして保管しています。

この後は私のレシピでは香り付けのドライホップを追加して、さらに7日~14日程度弱い発酵を続けます。発酵が終わったらようやく瓶詰め作業で、更に瓶内で2次発酵という流れです。

飲めるまで1ヵ月以上かかりますね~(泣)。と言う感じでトップの画像に至るわけです。流石に疲れたので銀河高原ビールに癒されました。後味がスッと消えて面白いビールです。

あとがき

いかがでしたか。長々とお伝えしてきましたが、殺菌することだけに気をつければ仕込み作業自体はそれほど難しくはありません。

現在はイーストががんばって発酵を続けている状態です。発酵容器から排出される空気がいい香りで、部屋の中が美味しそうなビールの香りになってます(笑)。ついついクラフトビールを買ってきては飲んでしまいますね~

次回は瓶詰め作業が終わったころに、経過報告を予定しています。果たしてはじめてのビール造りはうまくいくのでしょうか??

ちなみにアドバンストブルーイングさん以外にもビールキットはいくつか出回っているようです。こちらなんかはかなりお手ごろ価格でスタートできますよ!

続きはこちらからご覧ください。

自分で仕込む!手作りビールに挑戦(2)
ビール造り2回目は一次発酵~瓶詰めの作業をお伝えします!果たして自家製ビールは無事に美味しく仕上がるのでしょうか!?

それでは~

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