自分で仕込む!手作りビールに挑戦(3)

ビールが完成しましたよ!

前回の投稿から1ヵ月が経ちまして、ようやく自家製ビールが完成しました。3回に分けてお送りしてきたビール造りですが、今回は集大成として、出来上がったビールがどんな味だったのかを、発酵の様子を振り返りつつご報告します。

これまでの工程はこちらからご覧くださいませ。

自分で仕込む!手作りビールに挑戦(1)
ついに禁断の領域、ビール造りにチャレンジします!自宅醸造のレベルとしては中級レベル。今回は準備~1次発酵までの過程をご紹介します!
自分で仕込む!手作りビールに挑戦(2)
ビール造り2回目は一次発酵~瓶詰めの作業をお伝えします!果たして自家製ビールは無事に美味しく仕上がるのでしょうか!?

ビール造りに関する注意点

おさらいですが、家庭でお酒を醸造することは日本では法律違反です。日本の法律で言う「お酒」とはアルコール1%以上のものを指し、ここではアルコール%以上にならないレシピで作成しています。詳しくは市販のビールキットなどを参考の上、法律の範囲内でお楽しみください。

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完成したビールの味とは!?

前回の瓶詰め作業の後、瓶内での二次発酵の様子を観察していました。ペットボトルにウォート(ビールの原液)を入れたものを用意してありましたので、膨張具合を確認して発酵の様子を判断します。

二次発酵はウォート内に含まれるイースト菌が、一緒に瓶詰めしたプライミングシュガーを分解することで進みます。この時に生成される二酸化炭素が、シュワシュワした炭酸のもとになるんですねぇ。

2週目

ビールキットに付属していたレシピノートによると、2週間もすれば飲むことができるとのことでした。ペットボトルのウォートも瓶詰め直後と比べてかなり膨張しているようでしたので、早速いただいてみることにしました。

よく冷やしたビールをグラスに注いでみます。2ヵ月の苦労がようやく形になる瞬間で、わくわくしながらいただきましたよ!

炭酸は写真でわかるように、超~微炭酸。ちゃんと瓶内発酵したのか心配になるレベルです。香りはホップのフルーティーな香りが強く香ってきます。これは瓶詰めした時に感じたのと同じぐらい華やかに香ってきました。

さて、肝心のお味ですが…一口目は「お!ビールっぽいぞ!」という感じ。アルコールっぽさはさほど感じませんが、ほのかな苦みがまさにビールです。しかし、後味が酸っぱかった…。瓶詰め直後に味見したのと同じぐらい、舌に残る酸っぱさが気になります。

やはり雑菌が混入してしまい、イースト菌がうまく発酵できなかったのでしょうか。正直、微炭酸であることと、酸っぱさが気になり、あまりおいしくありませんでした。

3~4週目

自家製ビールの命運は残されたイースト菌の働きにかかっているようです。そのままさらに一週間置いてみると、ペットボトルがさらにカチカチに膨張していましたので、期待しながら再び味見をしてみます。

まず、王冠を外すと「プシュッ!」といういい音がしました。前回はこんなことはなかったので期待に胸が踊ります。グラスに注ぐと、写真のような立派な泡ができました。

ホップの香りは前回と同様に華やかに香ってきます。肝心の味は、炭酸が強くなりのどごし感がアップしていて、ビールの苦みもしっかり感じられます。気になっていた酸っぱさは前回よりもだいぶ落ち着き、許せるレベルです。炭酸が増えたことからもイースト菌が頑張ったことは明確ですし、イースト菌が優勢になったことで酸っぱさが落ち着いたものと考えられます。

少しだけ酸っぱさが残る気がしますが、それ以外はまさにおいしいクラフトビール(アルコール度数が少ないの薄味ですが)。ようやく完成したといっていいレベルになったと思います。

この後、数日おきに楽しんでみましたが、4週目ぐらいまでは炭酸の様子や味についても同じ印象が続きました。

5週目

5週目に入ったところで少し変化がありました。最初から強く香っていたホップの香りが次第に落ち着き始めました。

4週目ごろまでは、グラスに注ぐだけでもホップが鼻腔をくすぐるように香りましたが、5週目ぐらいからは一口飲んでみてようやく感じるレベルに落ち着きました。市販のペールエールビールと比べれば、それほど差はありません。

炭酸については、その後さらに強くなるということはありませんでした。写真では立派な泡ができているように見えますが、アルコール度数が少ないためか、泡もちはものすごく悪く、すぐに消えてなくなってしまいます。また、同様に酸っぱさは飲んだ後に少しだけ感じられます。考えられる理由は、「雑菌が少し混入したこと」もしくは「真夏の室温で保管していたことで、発酵環境が悪かったこと」などがありそうです。こうしたことは次回の課題ですね。

ホップの香りが減少することは、レシピノートにもしっかり記述されていました。香りを強くつけるタイプのビールは、時間とともに落ち着いてきてしまうことから、最大2ヵ月を賞味期限の目安とするようです(一般的なタイプは3ヵ月ぐらいまで)。

また、華やかな香りが落ち着く代わりに、「熟成香」というまろやかさが増加するのだそうです。言われてみれば、カラメルを少し加えたような甘い香り(まろやかさ?)を感じるようになった気もしますが、個人的には3~4週目ぐらいの印象が好みの味でした。刻々と変化する味を楽しむのも、ビール造りの醍醐味です。

あとがき

いかがでしたか。仕込みから約2ヵ月。何とか夏のうちにビールを楽しむことができました。

1回目の時にも書きましたが、今回の仕込み方でレベルは中程度。更にレベルを上げるためには、20リットル以上の鍋が必要になってきますので、自宅で気軽に作るためにはこの辺りが限界のような気がします。

逆に更にレベルを落とすことも可能です。ビールの基になる缶詰(缶入りモルトエキス)が販売されているので、それを使うことで仕込みの手順を大幅に簡略化することができます。味も好きなタイプから選べるので、気になった方は是非お試しください!

普段何気なく飲んでいるビールですが、実際に作ってみると、味を作るための作り手の努力が見えてきて面白いですよ。

ビール造りは、仕込み後の温度管理が結構難しかったりもします。これからの季節であれば特に管理せずとも、室温でベストな温度を保てますので、始めるなら今がチャンスです!

私も、今回作ったビールはすでに飲み干してしまったので、次のビール造りを検討しなくちゃ!

それでは~

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コメント

  1. おすねこ より:

    初めまして。HNおすねこと申します。
    手作りビールって思ったより美味しいですよね。余計な事ですみません、ビール瓶の多さ故の事後の処理大変だろうと思い私が実践している方法をご参考まで。
    飲んだ後は理科実験用ビーカー洗いブラシ(馬の毛が良い)で中まで洗剤で洗い、濯ぐ。ほぼ乾いたらアルコールスプレー(ドーバーパストリーゼ77)を瓶内に一回吹いて「替栓付き王冠キャップ」http://www.chuku.jp/product/229の替え栓だけ使用しキャップします。それで終了。
    再利用するときはキャップを外し2回ほど水洗し2cmぐらい水を入れておきます。寸胴に4cmほど水を入れ、瓶を入るだけ入れて蓋をし沸騰後20分ほど煮沸。取り出して(やけど注意)お湯を捨て、キャップをする。瓶が冷えたらボトリング準備OK!プラキャップを外す時は瓶内負圧になっているのでマスクで覆いながら開栓するとホコリも入りません(最近のマスクは高性能)
    この方法で瓶を再利用しても酵母残渣による異種発酵や雑菌による直前ウォートの腐敗など起こったことありません。キッチンハイターや純度高いアルコールも試しましたがこれが簡単で落ち着いてます。
    では~。

  2. 入月陽平 より:

    おすねこ様
    コメントありがとうございます。
    ビール瓶の処理については、まさに今困っていたことでしたので、ご助言大変ありがたいです。
    キッチンハイターで殺菌していましたが、教えていただいた方法のほうが簡単そうですね!次回は教えていただいたやり方を試してみたいと思います~